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小野伸二さん✕桜井良太選手 “LEGEND TALK” ご紹介

今シーズン限りでの現役引退を表明している桜井良太選手は、プロとして19年バスケットボールに向き合い続けてきました。
ルーキーシーズンにはトヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)で日本一を経験、日本代表ではキャプテンも務めた経歴を持ち、636試合連続出場という今後更新されることがないのではと思われる記録を持ち、ついた異名は“北の鉄人”。

そんな桜井選手は今や、“ベテラン”“チーム最年長”“レジェンド”などど言われることが多く、“先輩”と言える存在と接することが少なくなってきています。
競技は違えど、プロスポーツ選手として、アスリートとして、世界に渡って第一線で活躍し続けてきた“先輩”である、北海道コンサドーレ札幌の小野伸二O.N.Oに、このたびお時間をいただくことができたので、引退される直前に宮の沢の練習場にお邪魔して、2人の対談が実現しました。

サッカーとバスケ、それぞれのファンの皆さんや、スポーツに携わる方や子どもたちに、ぜひ届けたい内容を伺うことができましたので、たくさんの方にご覧いただけますと幸いです。

会ってみて、お互いの印象

北海道コンサドーレ札幌 小野伸二O.N.O (以下、敬称略)
見たままですが、練習場に入ってくる姿を見て、すごく大きいなと感じましたし、オーラがあると感じましたね。

レバンガ北海道 桜井良太選手 (以下、敬称略)

かなり前ですが、ナショナルトレーニングセンターでお見かけしたことがあり、その時に思わず声をかけてご挨拶させていただいたことがありました。
その時にとても気さくに挨拶を返してくれて、とても嬉しかったのを覚えており、今日お会いできて感動しています。

自身が続けてきた競技の魅力
サッカー / バスケットボール

小野伸二
最近は同じようなプレースタイルの選手が増えてきていますが、僕たちがプロに入りたての18、19歳の頃には、一人ひとりのストロングポイントがみんな違っていて、11人のチームになった時にそれぞれの役割の中で活かされ、活かし合いながら、1試合の中でひとつの絵になっていくようなところがサッカーの面白さなのかなというふうに思います。

桜井良太

川淵(三郎)さんがBリーグの初代チェアマンに就任されるなど、サッカー界の背中を追いかけてバスケットボールのリーグも成長を続けている中で、今の若い選手は個人的なスキルに秀でた選手が多く、身長が大きくなくても個人の技術で打開できる選手が次々に出てきています。
昔はサイズはもちろん、身体能力の高い選手が活躍することが多かったのですが、今は技術で圧倒できる選手が増えてきたので、観ていて非常に楽しいですし、より競技の魅力を感じてもらいやすくなっているのではないかと思います。

子どもたちへのメッセージ
競技を楽しみたい子どもたちへ / プロを目指したい子どもたちへ

小野伸二
自分が少し感じているのが、子ども自身が競技を楽しみたいと思っているのではなく、親に言われたからやっているのかなと思うような子が多いように感じることがあります。
自分がこれをやりたいんだという心の底からの気持ちがないと長くは続けられないと思います。
そういった子を見ると、自分で考えてやっていないのかなと少し寂しい気持ちになることがあります。

誰かに言われたことで成長することももちろんありますが、成長するためにどうしたらよいかを自分で考えることで、毎日努力を惜しまない行動に繋がりますし、自分で自分のために考えることを小さい時から身につけていくことが大事だと思います。
その世界のトップを目指すには、やらされているのではなく、自分でやるという意志を大事にしてほしいなと思っています。

桜井良太

いまはNBAの試合も簡単に見ることができるので、スター選手のプレー動画などを見る子どもたちも多いですし、それが技術の優れた選手の多さにも繋がっていると感じます。
ただ、体を当ててファウルをもらいにいくといったような、泥臭いけど必要なプレーや、勝つために体を張れるような選手が減ってきたと感じるので、技術はもちろん大切ですが、体を使ってハードにプレーすることの両方を、練習や試合を通して身につけていってほしいなと思います。
プロの世界では、技術的に上手いだけの選手よりも、体を張ってゴールまで持っていける選手の方が使われたりもします。
ただ、技術がないとやはり難しいので、バランスよく磨いていってほしいですね。

僕自身は人と話をすることがあまり得意ではなかったのですが、競技を通じて、競技を離れても繋がっていける関係性を作ることができました。
一緒に競技をしたり同じチームで過ごすことで、チームメイトたちや指導者の方など、団体競技ならではのコミュニケーションを楽しんで、築いていってもらえたらと思います。

ケガを経験しながらも長く競技を続けてきた2人から
ケガに苦しんでいる選手へのメッセージ

小野伸二
僕自身がケガをしている時は、ファンやサポーターの方たちの言葉に支えられているんだなと強く感じて、早く治して、みんなに楽しんでいる姿を見せたいという気持ちで乗り越えてきました。
競技をしている人はみんな、応援してくださる人たちに支えられてやってきていると思います。
ケガをしてもそれは変わらないと思いますし、支えてくれている人たちの存在を忘れずにやっていくことを意識してほしいなと思います。

桜井良太

ケガはスポーツをやっていくうえでつきものではあると思うので、ケガをしたらまずはしっかり治すということが一番大切です。
ただ、長くキャリアを続けていく中で、ケガを抱えながらも無理してプレーしなければならないこともあると思います。
そういった時がきたら、自分でしっかり見極めてほしいなと思います。
そして、小野さんもおっしゃいましたが、HOMEでもAWAYでも、必ず会場に足を運んでくださるような、どんな時も応援してくれるファンやブースターの方たちの存在があるから、自分は頑張ってくることができました。
プロじゃない方も、親御さんや支えてくれている方がきっといると思うので、感謝の気持ちを忘れずにプレーしてほしいなと思います。

長いキャリアを経て、今思い浮かべる憧れの選手像

小野伸二
自分にとっての憧れの選手像というと少し難しいのですが、自分はサッカーだけしかやってきていませんが、たくさんの人に人間として愛されたいと思ってやってきました。
色々な人に支えられた感謝を忘れずにここまでやってきた自分の形というものは、若い選手たちにも目指してほしい姿だと思っています。
サッカー選手、スポーツ選手としてだけではなく、いち人間としても、みんなに愛されるような選手になっていってほしいというのが、僕が願う目指してほしい選手の姿です。

桜井良太

僕も同じことを感じました。
自分がプロに入った時に理想としてイメージしていたのは、すごく点が取れる選手になって活躍したいと思っていたのですが、実際はそのような選手にはなれませんでした。
今思うのは、競技的なプレースタイルとかではなく、人間性の部分でひとりの人間として立っていられるような、感謝を忘れないであったり、人間関係をきちんと築いていけることであったり、大袈裟なことでなくても、人として大切なことがわかる、できる人というのが、思い浮かぶ姿です。

選手はプロとしてのキャリアを終えてからの方が人生は長いので、バスケットを通じて、バスケット以外のこともたくさん吸収していける人であってほしいと思いますし、自分もそういったことを意識しています。


小野伸二さん、北海道コンサドーレ札幌の皆さま、このたびは貴重な機会をありがとうございました。いつでも、北海きたえーるへお越しくださいませ!


 

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